台風19号関連/激甚災害に対処する特別措置(詳細)

日付:2019年10月24日 | カテゴリ:災害/令和元年 台風19号

国庫補助率70%を83%に嵩上げなど

 内閣府の防災担当が「令和元年台風第19号の暴風雨による災害についての激甚災害およびこれに適用すべき措置の指定見込み」について10月18日に通知した概要を改めてみてみる。公共土木施設の災害復旧で過去5年の実績平均をみると、通常70%の国庫補助率は83%に嵩上げされている。

◎全体概要○

1:激甚災害の指定(見込み)
=令和元年台風第19号の暴風雨による災害(仮称)
2:適用措置の指定(見込み)
=【本激】
(1)公共土木施設災害復旧事業等に関する特別の財政援助(法第3条および第4条)
 公共土木施設の災害復旧事業等について、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等の根拠法令等に基づく通常の国庫補助率を嵩上げ。
(過去5カ年の実績の平均では公共土木施設等は70%→83%に嵩上げ)
(2)農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置(法第5条)
 農地、農道や水路などの農業用施設および林道の災害復旧事業等について、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律等に基づく通常の国庫補助率を嵩上げ。
(過去5カ年の実績の平均では農地は83%→96%に嵩上げ)
(3)農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例(法第6条)
 農業協同組合、漁業協同組合等が所有する倉庫、共同作業所等の共同利用施設の災害復旧事業について、通常の国庫補助率を嵩上げ。
(一般災害20%→最高90%に)
(4)中小企業信用保険法による災害関係保証の特例(法第12条)
 事業の再建を図る中小企業者等に対し、中小企業信用保険の保険限度額の別枠化、てん補率の引き上げおよび保険料率の引き下げの特例措置を行う。
(5)小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等(法第24条)
 国庫補助の対象とならない小規模な公共土木施設等の災害復旧事業に係る地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入する。

◎激甚災害指定により適用される措置の概要○

【第3・4条】公共土木施設災害復旧事業等
◇公共土木施設(河川・海岸・砂防施設・道路・港湾・漁港・下水道・公園等)、公立学校、公営住宅、生活保護・児童福祉・老人福祉・障害者福祉等の施設の災害復旧事業、地方公共団体が行う感染症予防事業、流入した土砂等や浸水の排除事業等が対象。
◇例えば、公共土木施設災害復旧事業では、事業費総額が自治体の標準税収入の一定割合を超える場合に、激甚災害に指定されていなくても、国庫補助率の嵩上げ等の措置を段階的に適用。
(3分の2→4分の3→4分の4)
<激甚災害指定時の措置>
◇さらに補助率等を嵩上げ。例えば公共土木施設災害復旧事業は過去5カ年の実績平均をみると70%を83%に嵩上げ。この場合、個別事業ごとに補助率を嵩上げするのではなく、各事業の地方負担額を合計し、地方公共団体の標準税収入に応じて一部を国が負担する「プール計算方式」を採用する。
【第5条】農地等の災害復旧事業等
◇農地・農業用施設、林道の災害復旧事業等が対象。
◇災害発生時には、激甚災害に指定されていなくても、補助率の嵩上げ等の措置を適用。農地(災害時)83.1%、農業用施設(水路、ため池、農道等)(災害時)92.9%、林道(災害時)80.5%(農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律)
<激甚災害指定時の措置>
◇さらに補助率等を嵩上げ。過去5カ年の実績平均では、農地は83.1%→96.0%、農業用施設は92.9%→98.4%、林道は80.5%→91.9%に。
【第6条】農林水産業共同利用施設災害復旧事業費
◇農林水産業共同利用施設(農林水産物倉庫、農林水産業用生産資材倉庫、農林水産物処理加工施設等)の災害復旧事業が対象。
◇災害時(激甚指定なし)の補助率10分の2。
<激甚災害指定時の措置>
◇補助率の嵩上げ。告示地域(農地・農業用施設の災害復旧個人負担額が高い市町村など)は10分の4(40万円未満は10分の4)、告示地域以外は10分の5(40万円未満は10分の3)に。
【第12条】中小企業に関する特別の助成
◇災害救助法が適用されている地域には、中小企業者が民間金融機関から借入れを行う際に、通常の保証とは別枠で100%を保証する「セーフティネット保証4号」を実施。通常の保証限度額の最大2.8億円(普通保証2億円以内+無担保保証8000万円以内)に加え、セーフティネット保証4号限度額として最大2.8億円(普通保証2億円以内+無担保保証8000万円以内)を上乗せできる。
<激甚災害指定時の措置>
◇激甚法による被災区域内に事業所を有する直接被害を受けた中小企業者が、事業の再建に必要な資金を借り入れる際に、通常の保証およびセーフティネット保証とはさらに別枠で100%を保証する「災害関係保証」を適用する等。この場合、通常の保証およびセーフティネット保証に加えて最大2.8億円(普通保証2億円以内+無担保保証8000万円以内を保証する。
【第24条】小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等
◇国庫補助の対象とならない小規模な公共土木施設、公立学校、農地、農業用施設、林道の災害復旧事業に係る地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入。激甚災害に指定されていいない場合は、小規模債の発行ができず、一般単独災害復旧事業に係る地方債の元利償還金を基準財政需要額に算入。例えば公共土木施設などの一般単独災害復旧事業では充当率100%、元利償還金に対する交付税措置率47.5%〜85.5%に(財政力補正)。
<激甚災害指定時の措置>
◇公共土木施設小災害債など小災害復旧事業債の都道府県・指定都市で1カ所の工事の費用が80万円以上120万円未満のもの、市町村で1カ所の工事の費用が30万円以上60万円未満のものは、充当率100%、元利償還金に対する交付税措置率66.5%〜95.0%に(財政力補正)。

このページの先頭へ

All Rights reserved ©新建新聞社 2019 無断転載を禁止します